MRT-3 日本の巨額ODAで再生

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マニラ首都圏には3本の軽量鉄道が走っていて、最初に作られたのは1884年のLRT-1線で、次に1999年にMRT線(MRT-3)、2003年にLRT-2線がそれぞれ開業した。
 LRT-1とMRT-3は本来環状線として運行されるはずであったが、相互の線路は接続されず、相互乗り入れは不可能となっている。

 これは路線の呼び方が違っているように運営会社は2つに分かれていて、時の政権のご都合と利権で建設されたためで、これが軽量鉄道運営上の問題を多く生じさせている。

 特に首都圏の大動脈でもあるエドサ通りを走るMRT-3【写真】は問題が山積していて、本来の役に立っていないと利用者から不満が続出。

 同線は全長16.8キロあり、13駅を擁するが路線と駅などの保守管理が著しく悪く、毎日のように故障などが発生し、通常の速度で走ると脱線の危険があると指摘され、ノロノロ運転が常態化していた。

 この路線がこのような無様な状態になったのは、開通後から2012年まで日本の企業が保守管理を請け負っていて、それが突然利権からフィリピンの企業に変更された。

 この変更までは保守管理に問題はなく、正常に運行されていた。しかもフィリピンと企業との契約は1ヶ月毎更新と常識では考えられない内容であった。

 このため、元々鉄道の保守管理にノウハウのないフィリピン企業によって同路線は荒廃の一路を辿ったが、そういう判断、選定をした運輸当局と運営会社の不手際が追及されても良いが政治案件ということで波風は起こらなかった。

 しかし、あまりの酷さに腰を上げざるを得なくて。2016年に韓国の鉄道運営公社を中心にした企業連合に保守管理の委託をしたが、こちらも鉄道保守にはお粗末な連合で改善は全く見られず、特に韓国の鉄道公社は元々問題がありと烙印を押され、同連合はお払い箱に。

 そこに2016年大統領選で当選したドゥテルテが登場し、ドゥテルテの大型インフラ推進政策に乗る形で、同線の再生が莫大な資金を注ぎ込むことが決まった。

 その相手に選ばれたのがフィリピンで大盤振る舞いの政府開発援助(ODA)を推進している日本で、その先兵として国際協力機構(JICA)が一切のお膳立てをした。

 フィリピン運輸省はMRT-3の再整備と保守管理事業に、日本政府から総額約355億円の借款を受けて行うことを発表し、締結は2018年6月中に行いたいと表明。

 JICAによると同線の再生事業には3年9ヶ月かかり、実施企業は住友商事や三菱重工など日本企業が行うとしていて、ここでも日本企業向けの事業であることが判明。

 JICAは首都圏初の地下鉄建設も決めていて、大型インフラ整備事業に名を借りた日本企業救済の案件ばかりと批判も出ている。

 新線を作れるほどの巨費と長い年月をかけて同線の再生事業は始まるが、最初からメインテナンスをしっかりやっていれば、このような無駄な事態を招かなかったと、フィリピン人のメインテナンスに対する意識欠如が改めて反省されているが、これは直らないとの指摘もある。

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