地下深部に広大な「生命体の森」

地下深部に広大な「生命体の森」 国際研究で発見

海底をおよそ2500メートル掘り下げた地下に、数十万年から数百万年にもわたって存在してきた可能性のある微生物を含む、広大な「生命体の森」が存在するという発見が米ワシントンで開かれた米国地球物理学連合(American Geophysical Union)の会議で発表された。
 地底の極端な温度や気圧にもかかわらず豊富に存在するこの生命体は、これまで存在が知られてこなかった。何も摂取せずに岩から放出されるエネルギーのみを取り入れて生きており、動きは遅く、まるでゾンビのような状態で存在しているという。
 2009年に地球内部の秘密を探るために専門家数百人が集まって結成された国際共同研究機関「深部炭素観測(ディープ・カーボン・オブザーバトリー、Deep Carbon Observatory、DCO)」が、過去10年に及ぶ研究の最新結果を発表した。
 DCOによると、地球上の生物のうち、細胞核を持たない単細胞の有機体であるバクテリア(細菌)やアーキア(古細菌)のおよそ70%が地下に存在する。そうした「深部地下生物(ディープライフ)」は炭素重量換算で150億~230億トンに相当するという。
 米オレゴン州立大学(Oregon State University)で宇宙生物学と海洋学を教えるリック・コルウェル(Rick Colwell)氏は「地球の深部地下生物圏は巨大だ」と述べ、これまでに発見された生命体は「非常に素晴らしい、極限の生態系」だと表現した。
 発見された単細胞有機体の一つは、海底の熱水噴出孔の中で見つかったもので、121度の環境でも増殖が可能な超好熱菌「Strain 121」(学名:Geogemma barossii)の可能性があるという。
 コルウェル氏は「地底の奥深くには少なくとも地表と同等か、ともすればそれを超えるかもしれない遺伝的に多様な生命体が存在しており、われわれはその多くについてまだ解明できていない」と語った。

■地表生物とは明確に異なる
 地下深部で生きる同様の奇妙な微生物は、火星など他の惑星の地底にも存在する可能性があるという。
 日本の海洋研究開発機構(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology、JAMSTEC)の稲垣史生(Fumio Inagaki)氏によると、大半の深部地下生物は地表の生物とは明確に異なるという。
 JAMSTECの地球深部探査船「ちきゅう(Chikyu)」を使って海底深部まで掘削し、採取された試料は、科学者らに深部地下生物に関する詳細な観察をもたらした。稲垣氏はAFPに対し、「これらの微生物は非常に長い間、ただそこに存在していた」と述べた。
 こうした古代の炭層から採取され、研究室へ持ち帰られた微生物や細菌にグルコースを与えると、一部は目覚めたという。
 科学者らは深度5000メートルを超える地下でも生命体を発見しており、稲垣氏によると生命体の限界となる境界の在りかはまだ突き止められていないという。

via【翻訳編集】 AFPBB News

大型ハリケーンで消滅

ハワイを襲った超大型ハリケーンの影響で、海洋保護区にある小さな島が消滅した。一帯は野生生物の宝庫でもあり、絶滅危惧種への影響が懸念されている。

写真特集:自然美と歴史のハワイ

消滅したのはホノルルから約885キロ北西にある無人島のイースト島。海洋保護区「パパハナウモクアケア海洋国立モニュメント」のフレンチゲート礁にあり、10月に島々を襲ったカテゴリー5のハリケーン「ワラカ」で高波にのまれ、水没した。

同島は、絶滅の危機に瀕しているハワイのアオウミガメとハワイモンクアザラシの生息地だった。

ハワイ大学のチップ・フレッチャー教授によると、ハワイのアオウミガメはほぼ96%がフレンチゲート礁で繁殖期を迎える。

「7月に同島を訪れた際は、カメの営巣地で足の踏み場もないほどだった」とフレッチャー教授は語り、「幸いなことに、ハリケーンの到来前にほとんどの卵は孵化して子ガメはいなくなっていたと思われる」と指摘する。

一方、野生の個体数が世界でわずか1400頭にまで減少しているハワイモンクアザラシは、年間のほとんどを同島で過ごし、日光浴をしたり海岸に寝そべったりしている。今回のようなハリケーンに襲われても大抵はやり過ごすことができるといい、「それほど壊滅的な事態にはなっていないと思われる」とフレッチャー教授。しかし専門家が調査しなければ実態は分からないとした。

この地域の島々は、海底に沈んだ火山の上に砂が堆積してできており、海面が上昇すると消滅する。気候変動も一因となって、イースト島は沈んだままの状態が続くだろうとフレッチャー教授は予測。気候温暖化や海面温度の上昇に伴ってハリケーンは大型化する傾向があり、ほかの島も水没する恐れがあると危惧している。

フレンチゲート礁には専門家チームが訪れて野生生物への影響について調査する予定だという。